beatoraja は “プレイアブルなビューワ” として利用可能です。
LR2 でやれることは beatoraja でもだいたいやれるうえ、標準で Full HD 対応・#SCROLL
拡張命令などの魅力的な新要素が豊富に実装されています。楽曲製作者向け資料に目を通しておくことをお勧めします。
beatoraja
https://
本頁は Liberica JRE 同梱版をお勧めします。理由は、
- JRE 同梱版は beatoraja
.exe ファイルと jre フォルダーを含みます。 - Modern
Chic 版はバッチファイルを含みます。
これら以外の内容は JRE 同梱版も Modern
- 更新差分版は、直前のバージョンの beatoraja フォルダーに上書きして最新版にアップグレードするために用意された、最小限の内容です。新規導入する用途には関係がありません。
動作環境
- 対応 OS:
-
64-bit Windows 11
/10 /8.1 /8 /7, Mac OS, Linux - 必要な環境:
-
Open
GL 3.1 以降 - Intel HD Graphics 2000
/3000 は Open GL 3.1 をサポートしていますが、 Windows 10 と組み合わせると動作しません (原因と対策)。 - beatoraja が起動しない場合は GLview などで自分の環境を調査し、グラフィックドライバーを更新することで、対応 OpenGL バージョンを刷新できるかもしれません。
- Intel HD Graphics 2000
- [Modern
Chic 版] 別途必要なファイル: -
64-bit Java Runtime Environment 1.8.0 以降
- JRE 1.8.0 に相当する言語仕様は Java SE 8 です (2014年3月発表)。
2024年時点の長期サポート最新版は Java SE 21 です。 - ごく初期の版を除き、
64-bit JRE が必須です。
ヘルプ筆者は以下の環境などで beatoraja 0.8.6 の動作を確認済みです。
- Ubuntu 16.04 + Liberica Full JDK 11 LTS
- Ubuntu 23.10 + Liberica Standard JDK 21 LTS + JavaFX SDK 22
- Windows 7 + Oracle Java 8 Update 401 (1.8.0_401-b10)
- Windows 11 + Zulu JDK 23 + JavaFX SDK 22
- JRE 1.8.0 に相当する言語仕様は Java SE 8 です (2014年3月発表)。
ビューワの設定に beatoraja をてっとりばやく追加する:
Liberica JRE 同梱版なら、実行ファイル beatoraja
- BMSE をいったん起動して閉じます。
- bmse フォルダ内の bmse_viewer.ini をメモ帳などで開きます。
-
以下の記述をコピーして貼り付けます。
(記述追加例) beatoraja
beatoraja.exe のパス (適宜書き換える)
-a <filename>
-s <filename>
改行 (必須)
さらに改行 (必須)
(これは停止ボタン該当行に何も指定しないことによって beatoraja 設定画面を呼び出す例です。停止ボタン該当行に改行の代わりに “
-p <filename>
” と指定すれば、停止ボタン押下によってプラクティスモードを起動します。) - bmse_viewer.ini を上書き保存し、
BMSE を起動します。 -
ビューワ選択枠から beatoraja を選び、正常に呼び出せるか確認します。
この呼び出しが beatoraja 初回起動時だった場合は設定ウィンドウが開かれます。お好みで設定してください。例としてヘルプ筆者は既定の状態から以下のような変更を行っています:
- 【Video】 タブの「解像度」を SD (640 x 480) に変更 (ビューワ的に)
- 【Audio】 タブの「同時発音数」を 256 に変更 (128 で鳴らない実例あり)
- 【プレイオプション】 タブの全 MODE の「レーンカバー」を 0 に変更
- 同、全 MODE の「ハイスピード固定」を OFF に変更
- 【その他】 タブの「Discord」がチェックされていれば外す
- 同、
「IPFS」のチェックを外す - 【IR】 タブの「ライバルスコア取得」のチェックを外す
- 一度起動し、選曲画面上でフルキー 6 を押下して、キーコンフィグ
プレイヤー設定が正しく保存されない場合
どういう状況でそうなるのかわかりませんが、自分が設定した覚えのないスキンがランダムに読み込まれたり、プレイオプションが毎回初期化されたりする場合があります。あまり自信がない個人的対処法を一応書いておきます。
-
beatoraja の選曲画面上でフルキー 6 を押下すると、キーコンフィグ画面が開かれます。日本語 106
/109 キーボードを使っている場合、 14 KEYS の 2P-7 KEY の既定値が Unknown になっている可能性があります。ここに適当なキーを割り当てておきます。 -
設定ウィンドウの 【スキン】 タブから「スキン種類」
(7KEYS や 5KEYS) を一通り表示しておきます。変更する予定がなくとも全ゲームモードを選択し、各モードの内容詳細を設定画面上に描画します。このおまじないは 0.8.6 以降では不要かもしれません。 -
Liberica JRE 同梱版の beatoraja
.jar を、 Liberica Full JDK /JRE 以外の Open JDK /JRE パッケージと組み合わせて使う場合、起動時のコマンドライン引数で JavaFX のモジュールパスも明示的に指定する必要があります (詳細は後述)。ここを間違うと既定のプレイヤー設定が読み込まれたような気がします。
JRE 同梱版で beatoraja .jar を使いたい場合
そんなときのために、基本的な方法を以下に示します。
-
Windows 用バッチファイル をダウンロードします。リンク先に何も表示されない場合は、
Web ブラウザーの Java Script を有効化してください。あるいは既にサポート期間が終了した Microsoft Internet Explorer や Microsoft Edge Legacy などの古びた Web ブラウザーをお使いの場合、ダウンロードできない可能性があるのでご注意ください。 画面の右上側に並ぶアイコン群のうち、下向き矢印と受け皿を組み合わせたようなボタンを、マウスで左クリックすると、ダウンロードが開始されます。
GitHub の外観が多少変わったとしても、それっぽいアイコンの上にマウスカーソルを持っていけば “Download raw file” のようにツールチップ等で案内してくれるはずです。適宜うまくやってください。
-
ダウンロードしたバッチファイル beatoraja-config
.bat を、既に自分がダウンロードして使っている beatoraja 0.8.6-jre-win64 フォルダーの中に移動します。 (beatoraja フォルダーのバージョンを示す数字部分は、人によって異なります。) -
この beatoraja-config
.bat ファイルをマウスで右クリックして、表示されるコンテキストメニューから「プロパティ」を左クリックします。 プロパティウィンドウの下部にセキュリティ関連の警告がある場合、ブロックを解除し、このファイルへのアクセスを許可します。
たとえば Windows 11 なら「許可する」チェックボックスを左クリックします。チェックボックスを有効化した状態で、プロパティウィンドウ最下部の「OK」ボタンか「適用」ボタンを左クリックします。そのままプロパティウィンドウを閉じて次に進みます。
-
この beatoraja-config
.bat ファイルを Windows メモ帳で開きます。 4 行目の先頭に以下のように 8 文字を追加し、上書き保存します。 jre\bin\java -Xms1g -Xmx4g -jar beatoraja.jar
(メモ帳の開き方が分からない場合は、
Windows メニューの検索欄に “notepad” と入力してください。) -
書き換えた beatoraja-config
.bat ファイルをマウスで左ダブルクリックすると、 beatoraja の設定ウィンドウが開かれます。
これを応用すると、コマンドライン引数をカスタマイズして beatoraja を起動できます。たとえば実際のカスタマイズ例を参考にさせていただいて JRE 版に流用する場合、まず元の引数群から以下の部分を削除します。
--module-path javafx-sdk/lib --add-modules=javafx.controls,javafx.fxml
次に最初のほうの jdk/bin/java
を jre\bin\java
に変えるだけです。
JRE 非同梱版 beatoraja をビューワに追加する:
- JRE 同梱版を使う方はこの節を読み飛ばして構いません。
- が、この節の方法は JRE 同梱版の beatoraja
.jar に対しても適用できます。 - Oracle JRE でも beatoraja は遊べますが、本頁では可能な限り新しいバージョンの Open
JDK 長期サポート版 (LTS) 64-bit Windows 用パッケージを ZIP 書庫でダウンロードすることを推奨します。
Java 環境を構築するための選択肢は多岐にわたり、用途や考え方次第で最適な解が異なります。前述の条件に絞っても Disco API では数十件以上の候補がマッチします。ライセンスなどで迷ったら Liberica の Full JRE を選びましょう、
-
beatoraja を遊ぶだけなら JRE (Java Runtime Environment) パッケージがどれか一つあれば充分です。が、
Amazon や Microsoft の OpenJDK ディストリビューションは Windows 用 JRE を用意していません。 JRE を選択できない場合は Windows 用 JDK パッケージを代わりにダウンロードしてください。 JDK は JRE を内包しているので、どれをダウンロードすべきか分からない場合は JDK の 64-bit Windows 用パッケージ ZIP 書庫を選んでおけば間違いがありません。 -
JDK (Java Development Kit) パッケージは beatoraja の開発や改造に興味がある方向けです。普通に遊ぶだけなら過剰な代物ですが、あるいはコマンドライン引数を駆使したパフォーマンスチューニングなどに役立つかもしれません。
-
JRE と JDK はどちらか片方をひとつだけ入れれば充分です。複数パッケージを導入することも可能ではありますが、複数の MSI インストーラーを軽率に実行すると、インストールパスや Path 環境変数や関連付けなどの設定が最終的にどう変更されるか分かったものではありません。
-
ZIP 版ならユーザーが明示的に働きかけない限り環境変数や関連付けが変わらないので、複数パッケージの運用も比較的に安全です。バージョンやディストリビューションを異にする JDK パッケージを複数並べて、用途によって参照先だけを切り替える、などの活用が容易です。
具体的なビューワ設定手順
-
適当な 64-bit Windows 用 OpenJDK or OpenJRE パッケージを ZIP 書庫でダウンロードして、コンピューター内の任意の場所に展開します。
Program Files 配下などの面倒そうな場所を除けばどこに置いても構いません。ここでは例として C: ドライブ直下に中身のフォルダーを配置します。 Zulu (FX 版) および Liberica (Full 版) は JavaFX を同梱していますが、これらは例外的なパッケージであり、大多数の Open
JDK パッケージは JavaFX を同梱していません。 beatoraja には JavaFX も必要なので、たとえば Liberica (Standard 版) や Amazon Corretto を選んだ場合は Java FX も別途ダウンロードしなければなりません。 必要なら Java
FX 64-bit Windows 用 SDK パッケージ ZIP 書庫版もダウンロードし、適当な場所に展開します。 Program Files などの面倒な場所は避けてください。例えば C: ドライブ直下に内容を配置します。 - OpenJDK と JavaFX を両方ダウンロードする場合、両者のメジャーバージョンを揃えるのが無難です。
JDK 11 と JavaFX 21 のようにバージョンが離れすぎているとそもそも起動できません。 - 普段使いの範囲なら多少のバージョン不一致は問題なさそうです。
- OpenJDK と JavaFX を両方ダウンロードする場合、両者のメジャーバージョンを揃えるのが無難です。
-
Windows メモ帳で beatoraja 起動用 Power
Shell スクリプトを書き、これを beat .ps1 というファイル名で保存します。ご自分の環境に読み替えて、スクリプト先頭側の設定部分を適宜書き換えてください。 $beatoraja
変数には、beatoraja .jar のパスを指定します。 $java
変数には、JDK /JRE 配下 java .exe のパスを指定します。 $javafx
変数には、JavaFX 配下 lib フォルダーのパスを指定します。
Zulu JDK
/JRE FX、 Liberica Full JDK /JRE、あと OpenJDK ではないけれど Java 10 までの Oracle JDK /JRE には、 JavaFX も含まれています。これらのパッケージを使用する場合、この Power Shell スクリプトの後半部分も書き換えないと正しく動作しないかもしれません。その場合、スクリプト内のコメントを目印として、二箇所の先頭に “ #
” を付け足し、代わりに二箇所の “#
” を削除してください。BMSE 編集中の一時譜面を beatoraja に 9 ボタン譜面として強制認識させる LR2 PMS View Helper 的な機能と、
beatoraja を呼び出した後で Virtual MIDI Synth .exe を再起動する機能が、スクリプトにおまけとして付属しています。既定では両機能とも無効です。 $FALSE
を$TRUE
に書き換えると機能が有効になります。- 前述のスクリプトを Ctrl + A で「すべて選択」してコピーペーストする場合、最後の文字列 “←
[End Of File]
” は削除してください。 - プレビュー終了時にコンソール上に残る beatoraja のログに興味がない方は、最後近辺の “
Read-Host 'Done'
” を削除してください。 - Power
Shell スクリプトを Windows メモ帳から保存する場合、メニューバーの「ファイル」→「名前を付けて保存」の「エンコード」欄で「UTF-8 (BOM 付き)」を指定してください。 「BOM 付き」が選択肢に見当たらない場合は「UTF-8」を指定します。 - Power
Shell スクリプトを保存する場所はどこでも構いませんが、後述のバッチファイルと同じ場所に配置してください。 - Power
Shell スクリプトのファイル拡張子は *.ps1 です。
-
Windows メモ帳を新たに起動し、
Windows バッチファイルを記述します。内容は以下の一行です。 Power
Shell -No Profile -Execution Policy Remote Signed -File "%~dp0 .\beat .ps1" %1 %2 この Windows バッチファイルは「このバッチファイルを経由する場合のみ、当該 Power
Shell スクリプトの実行を一時的に許可します」程度の意味合いです。 Power
Shell は初期状態では ps1 スクリプトファイルを実行できません。セキュリティリスクを不用意に高めるのは好ましくないため、本頁では Power Shell 実行ポリシーの恒常的な変更を行いません。 Power
Shell 実行ポリシーを自分で変更できる場合は、この Windows バッチファイルを経由する必要はないかもしれません。以降の手順は適宜読み替えてください。 - Power
Shell 7 以降を別途導入済みの方は、バッチファイル先頭の “ Power
” を “Shell pwsh
” に変更すると、*.ps1 スクリプト内で三項演算子や ??
や??=
や?.
などの新機能を利用できてお得です。
- Power
-
バッチファイルを適当な名前で保存し、先述の Power
Shell スクリプトと同じ場所に配置します。例として toraja .bat と命名します。 - Windows バッチファイルを Windows メモ帳から保存する場合、メニューバーの「ファイル」→「名前を付けて保存」の「エンコード」欄で「ANSI」を選択してください。 (つまり Shift
_JIS で保存します。) - Windows バッチファイルのファイル拡張子は *.bat です。
- Windows バッチファイルを Windows メモ帳から保存する場合、メニューバーの「ファイル」→「名前を付けて保存」の「エンコード」欄で「ANSI」を選択してください。 (つまり Shift
-
bmse
_viewer .ini からこのバッチファイルを参照します。 toraja
toraja.bat のパス (適宜書き換える)
<filename> -a
<filename> -s
<filename> -p
改行 (必須)
例示したバッチファイルや Power
Shell スクリプトは、渡された引数の数や順番や内容を一切検証していないので、ビューワ引数をこの状態から変更するとバグが生じます。都合が悪い場合は各自でスクリプト内容を修正していただければと思います。 - Windows 10 19H1 以降、
Windows メモ帳の既定のテキストエンコーディングは「UTF-8」 (BOM 無し) に変更されています。これにより、 bmse .ini や bmse _viewer .ini は「名前を付けて保存」の「エンコード」欄を明示的に「ANSI」に変更してから保存することが必須になりました。 - BMS ファイルをメモ帳で編集する場合も事情は同様で、非 ASCII 文字を beatoraja や LR2 に表示させるなら「ANSI」で保存する必要があります。
- Windows 10 19H1 以降、
JDK コマンドライン引数のカスタマイズ
導入した OpenJDK のバージョンが充分に新しいなら、-XX:
がよく知られています。効果のほどはさておき、使用する OpenJDK のバージョンが新しければ新しいほど選択肢を増やせることは明らかです。
当頁の Power
BMSE と連携する際の注意点
beatoraja は「現在位置から再生」
で呼び出すと、編集中の譜面を最初からオートプレイします。
で呼び出すと、編集中の譜面を最初からプレイします。
で呼び出すと、引数次第で設定画面が起動したりします。
ビューワ枠から呼び出された beatoraja は単曲再生モードとなります。
再生が完了すると終了します。プラクティスモードなら最初に戻ります。引数を与えていない場合は普通に起動します。
編集中の “9 Keys (PMS)” 譜面を、
譜面著者の期待に反して、
beatoraja 設定画面 【Audio】 タブ → 【Audio Output】で “Port
ヘルプ筆者が遭遇した例では Bms
Port
beatoraja 0.8.3 か 0.8.4 までは、譜面を完走していないにもかかわらず曲途中で一切の音声が鳴らなくなる場合がありました。 (0.8.4 か 0.8.5 で修正済み)
beatoraja 側の Audio Output が Port
- BAD
.ogg の形式が WAV ではない (OGG や FLAC だと 1 アウト)。 - BAD
.ogg のサンプリング周波数が 44100 Hz 系列ではない。 - BAD
.ogg が 0 samples (またはそう判定される程の極小音量)。
JRE 11 以上の場合、音量極小の OGG ファイルが検出されるとコンソールに 0 samples 例外が出力されます。
Port
- 無効になっているオーディオ再生デバイスまたは録音デバイスをすべて有効化してみる。
- オーディオデバイスドライバーをアップデートしてみる。
- オーディオコーデックドライバーを再インストールしてみる。
- ASIO4ALL 使用中なら更新してみる。
Version 2.15 は 2022年2月公開。
おまけ
JRE 同梱版なら LR2 同様にショートカットを利用できます。引数は beatoraja と LR2 で異なるため、そのまま使いまわすことはできません。
JRE 非同梱版も Power
ヘルプ筆者が Power
BMSE は ANSI アプリケーションなので、
バージョン 7 以降の Power